初心者向けパチンコ完全ガイド(遊技開始から終了まで)
パチンコは、日本独自の娯楽文化であり、誰もが気軽に楽しめるシンプルなゲームです。しかし、初めてパチンコ店(ホール)を訪れる方にとっては、システムや専門用語が難しく感じるかもしれません。このガイドでは、パチンコを「打ち始める前」から「遊技を終了するまで」の手順を詳細かつ分かりやすく解説します。
パチンコの基本は「玉を借りる」「玉を打ち出す」「玉を増やし楽しむ」「遊技をやめる」の4ステップです。この手順をマスターすれば、安心してパチンコデビューができます。
このページの目次
パチンコ店に入店する前の準備と心得
パチンコ店に入る前に、いくつかの基本的な知識と準備をしておくことで、当日をスムーズに楽しめます。
1. 遊技の基礎知識とルール
- 年齢制限: パチンコは18歳未満の遊技が法律で禁止されています。学生証など、年齢を証明できるものを持参しましょう。
- 喫煙ルール: 2020年の健康増進法改正により、多くのホールで原則禁煙となりました。喫煙可能なのは店内に設置された専用の喫煙室のみです。
- 遊技資金: パチンコは時間とお金がかかるギャンブル性の高い娯楽です。あらかじめ「今日はここまで」と上限金額を決めておくことが大切です。
2. パチンコのレートについて
玉を借りる際の金額(レート)は主に以下の種類があります。
- 4円パチンコ: 最も標準的なレートで、玉1個を4円で借ります。出玉の増減が大きく、勝った時のリターンも大きいですが、負けた時の出費も大きくなります。
- 1円パチンコ(低貸し): 玉1個を1円で借ります。投資金額が少なくて済むため、初心者や長時間楽しみたい方におすすめです。最近では、2円や0.5円といったさらに低レートの台もあります。
入店したら、まずは自分が遊びたいレートの島(エリア)を探しましょう。レートは通常、台の上や島の入口に大きく表示されています。
II. 遊技開始:玉を借りる手順
遊技したい台を決めたら、着席して玉を借りる準備をします。近年のパチンコ店では、現金やカードで直接玉を借りるシステムが主流です。
1. 台選びと着席
空いている台を見つけたら着席します。初心者の方は、あまり複雑な演出がない台や、人気が高く出玉が多い傾向にある機種を選ぶのがおすすめです。台に着席したら、まず荷物を足元などに置きましょう。
2. 遊技台での玉貸し(サンドの利用)
ほとんどの台の右側、または台の間に設置されているのがサンドと呼ばれる玉貸し機です。ここに現金や専用のICカードを挿入して玉を借ります。
- 現金での玉貸し: サンドに紙幣(1,000円札など)を入れます。画面に「貸し出し」ボタンが表示されたら押します。
- ICカード/プリペイドカードでの玉貸し: 店内にある両替機で現金を専用のICカードにチャージしてから、そのカードをサンドに挿入します。
貸し出しボタンを押すと、貸し出された玉が遊技台の下皿に払い出されます。この際、「玉数」ではなく「金額」(例えば1,000円分)で借りるのが基本です。ICカードを使った場合、残高はカードに記憶されています。遊技をやめる際には、このICカードを持って店内の精算機で現金に戻します。
遊技実践:玉を打って大当たりを狙う

玉が下皿に準備できたら、いよいよ遊技開始です。パチンコの目的は、盤面の中央にある「ヘソ」と呼ばれるスタートチャッカーに玉を入れることです。
1. 打ち出しとハンドル操作
- 打ち出しの開始: 遊技台の右下にあるハンドルを握り、回します。回す強さによって玉の飛ぶ勢いが変わり、玉が盤面に向かって打ち出されます。
- 力の調整: 最初は少しずつハンドルを回し、玉がどの辺りに飛ぶかを確認します。通常、狙いたい場所(ヘソの付近)に玉が飛ぶように、ハンドルの力を調整します。玉が詰まったり、意図しない場所ばかりに飛んだりする場合は、ハンドルの強さを微調整します。
2. 抽選とリーチ
玉がヘソに入ると、台の液晶画面でデジタル抽選が行われます。
- 変動(へんどう): ヘソに玉が入ると、画面の数字や絵柄が回り始めます。これを「変動」と呼びます。
- リーチ: 大当たり図柄が揃う直前の状態を「リーチ」と呼びます。リーチになると、様々な派手な演出が始まり、大当たりの期待感が高まります。
- 大当たり: 特定の図柄が揃うと「大当たり」となり、遊技台から大量の玉が払い出される「大入賞口(アタッカー)」が一定時間開きます。
大当たり中は、アタッカーが最大限に玉を受け入れるようにハンドル操作を行います。アタッカーに玉を入れることで、獲得できる出玉が増えます。
3. 確変(かくへん)と時短(じたん)
大当たり終了後、機種によっては特殊な遊技状態に移行します。
- 確変(確率変動): 大当たりの確率が大幅にアップする状態です。この状態の間は、次の大当たりを引きやすくなります。
- 時短(時間短縮): 大当たりの確率は変わりませんが、特定の回数だけヘソに入りやすくなる「電チュー」が開きやすくなるなど、効率よく玉を打ち出せる状態です。
確変や時短の状態にある間は、遊技を継続し、次の大当たりを狙うのが基本です。
遊技終了と精算の手順
パチンコは、楽しかったり、資金が尽きたり、目標の出玉数に達したりした時点で、いつでもやめることができます。遊技をやめることを「ヤメる」「台を離れる」と言います。
1. 遊技台の停止と玉の計数
- 打ち出しの停止: ハンドルから手を離し、玉の打ち出しを止めます。
- 出玉の確認: 下皿に出ている玉を、台の横にあるドル箱(玉を入れる箱)に移します。出玉が多い場合は、店員さんを呼んで空のドル箱を持ってきてもらいましょう。
- 玉の精算(計数): 玉をドル箱に入れたら、台の上にある呼び出しボタンを押して店員を呼びます。店員が来て、玉を計数機(カウンター)に移し、玉数を計算します。
- レシートまたはカードの発行: 計数後、店員から玉数と点数が記載されたレシート、または遊技台に残高が記憶されたICカードを受け取ります。これが遊技の結果を示す証明書となります。
玉の計数が終わったら、下皿や台に玉が残っていないか必ず確認し、忘れ物がないように荷物をまとめて席を立ちます。
2. ICカードの精算(残高の払い戻し)
ICカードやプリペイドカードを利用して玉を借りていた場合、遊技終了時にカードに残った残高(現金)を精算する必要があります。
- 精算機へ: 店内にある精算機(あるいは残高払い戻し機)を探します。
- 払い戻し: 計数後に店員から受け取ったICカードや、遊技中に使っていたカードを精算機に挿入します。カード内の残高(現金)が払い戻されます。
- 注意点: このICカードの残高は、店外に持ち出すことができません。必ず退店前に精算機で現金に払い戻す必要があります。残高を精算せずに帰宅すると、その金額は放棄したことになってしまいますので、絶対に忘れないようにしましょう。
3. 景品交換の準備(換金は別記事へ)
玉の計数によって発行されたレシートや特殊カードは、遊技の結果(獲得した点数)を示しています。
このレシートを持って、店内の景品カウンターに行き、お菓子や日用品などの一般景品、または現金化を目的とした特殊景品に交換します。
(注:本記事では、遊技終了の解説が目的のため、景品交換所での現金化(三店方式)に関する詳細な説明は割愛します。)
遊技中のマナーとトラブル対応
他の遊技客に迷惑をかけず、楽しく遊技するためのマナーについても理解しておきましょう。
- 台の確保: 基本的に、遊技していない台に荷物を置くことで台を確保できます(席取り)。しかし、長時間放置することはマナー違反です。台を離れる際は、短時間で戻るようにしましょう。
- 他人の出玉に触れない: 他人のドル箱や出玉に勝手に触ることは厳禁です。
- タバコと飲食: 喫煙は指定された喫煙室でのみ行いましょう。飲み物や軽食は、台の専用スペースで静かに楽しむのがマナーです。
- トラブル時の対応: 遊技台のトラブル(玉詰まり、エラー表示など)が発生した場合は、すぐに呼び出しボタンを押して店員を呼び、対応を待ちましょう。自分で修理を試みるのは危険です。
これらの基本的な手順とマナーを覚えておけば、初心者の方でも安心してパチンコを楽しむことができます。遊技中は時間に余裕を持ち、決めた予算内で楽しむことを心がけましょう。





