【家族が回復する】パチンコ依存症の「正しい接し方」と支援機関|共依存と金銭問題を断つ原則

ギャンブル依存症の本人を家族が支えるイメージ画像

ギャンブル依存症は、本人だけの問題ではありません。 最も近くにいる家族やパートナーもまた、精神的・経済的な苦痛を抱え込み、時に「共依存」という状態に陥ってしまうことがあります。

「どうすればやめさせられるの?」「もう信じられない」 と苦しむあなたへ。大切なのは、自分を責めることでも、相手をコントロールしようとすることでもありません

本記事では、 依存症の家族が取るべき「正しい接し方」と、 家族自身の回復のための具体的な支援機関を段階的に解説します。

家族が陥りがちな罠|共依存と「コントロールしたい」感情

依存症患者を持つ家族が、良かれと思って取りがちな行動が、かえって本人の回復を遅らせる罠になることがあります。

① 借金の後始末と「尻拭い」

本人が作った借金を肩代わりしたり、内緒で返済したりする行為は、一時的に問題を解決しますが、本人に「結局、誰かが何とかしてくれる」という安心感を与えてしまい、依存行動を継続させる原因になります。これをイネイブリング(手助け)と呼びます。

② 監視と説得による「コントロール」

「なぜやめられないのか」「今日はどこへ行ったのか」と過度に監視したり、感情的に責めたり、理詰めで説得しようとしたりしても、本人の罪悪感と反発心を強めるだけで、逆効果になることがほとんどです。

③ 家族自身の孤立(共依存)

問題を隠し、一人で何とかしようと抱え込むことで、家族自身が「共依存」の状態に陥ります。本人のために生きているような感覚になり、自身の健康や生活がおろそかになってしまいます。

正しい接し方の原則|3つの「しないこと」と「すること」

家族が取るべき「正しい接し方」は、「病気の治療」と「健全な境界線」の確立を促すことです。

やめるべき3つの行動(非援助行動)

  1. 責めない・説得しない:ギャンブル依存は病気であり、意思の弱さではないため、感情的な非難は避けましょう。
  2. お金を与えない・借金を肩代わりしない:金銭的な援助は一切絶ち、本人が問題と向き合う機会を奪わないようにします。
  3. 隠さない・秘密にしない:問題を秘密にすることで家族が孤立します。信頼できる第三者(専門家)に事実を話しましょう。

行うべき3つの行動(建設的支援)

  1. 金銭管理の徹底的な分離:給与、カード、キャッシュカードなど、金銭にアクセスできる機会を物理的に断ちます(専門家の協力を得るのが理想的です)。
  2. 事実と感情を区別する:「あなたが借金をしたことは事実だが、あなたの人間性を否定しているわけではない」と、病気と本人を分けて伝えます。
  3. 支援機関への同行:本人が受診や相談を渋る場合は、家族が先に専門機関へ連絡を取り、最初のステップを踏み出すきっかけを作ります。

具体的な「金銭管理の分離」と「物理的制限」の方法

依存症の回復には、金銭へのアクセスを断つ「物理的な仕組み」が最も重要です。

  • 給与振込口座の変更:給与を家族名義の口座などに振り込んでもらい、本人の手元には必要最低限の小遣いだけを渡す「お小遣い制」を徹底します。
  • クレジットカード・ローンカードの解約:すべてのローン、クレジットカード、消費者金融カードを解約または家族管理にします。
  • 自己申告プログラムの利用:パチンコ店や公営競技の入場制限・アクセス制限を本人に申請させます。

ポイント:意志に任せるのではなく、物理的にできない環境を作ることが回復の第一歩です。

まとめ|「諦め」ではなく「適切な距離」が未来を変える

ギャンブル依存症は治らない病気ではありません。 回復には本人と家族双方の正しい知識と行動が必要です。

  • 一人で抱え込まない:家族自身が支援につながる。
  • 境界線を守る:金銭管理は分離し、感情で介入しない。
  • 希望を持つ:専門家の支援で再建は可能。

家族が自分の生活を守ることこそが、本人の回復を促す最も強力な支援になります。

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